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大きな目標を達成するための心理学

本題の前に・・・

よく「デザインの正解は1つではない」という話を耳にしますが、ビジュアルデザインにおいて同じ要件であっても手がけたデザイナーや検証の数だけアウトプットは異なります。また、ある人にはそのビジュアルが刺さるけどある人には刺さらない。同じセグメントでも好き嫌いもありますから、より複雑になっていくと日々実感しています。そのため、そもそも正解というよりもそのプロジェクトの効果として何がベストなのか、戦略として次のフェーズを見据えての布石としての選択とかそういう解釈をしています。
 

「定量的に測れないアイデア」を後押しする学術的アプローチ

人によって異なる好き嫌いだけでもなかなか議論を収束させるのに骨が折れることもあるのに、それ以前に「信頼できる人が言っていることなのか」というハロー効果が働くことも入ってくると、さらに話は複雑さが増します。これでプロジェクトが進まなくなったという経験をしてきた方も多いのではないでしょうか。
UI を含む UX では様々なデザインのアイデアがある中で、デザイナーは主観やバイアスを取り除き、何がユーザーにとってベストなのか、データや確からしい事実を拠り所として提案に臨むように努めます。ですが、確証を得られてないデザイン、あるいは「多くのプロダクトが採用しているから」という理由からデザインを採用することも多いと思います。
主観を捨てるためには客観的なデータや数字などの一次情報から語ることが多いのですが、提案の理由に紐付くデータや数字を用意するための検証環境がなかったり、検証をするための条件や予算がなかったりとなかなか事情が噛み合わないこともあります。
そういった環境だと定性的なデータを拠り所に解釈を入れて提案をするのですが、数字がないこと自体は心もとないのに変わりはありません。そういった場合、論理的に根拠をもって説明するのに行動経済学や心理学を用いるのも一つの選択と考えています。実際に私の周りでも UX を検討する際に行動経済学や心理学を根拠の1つにもてるようにと学習するデザイナーが増えているように感じます。言わずもがな私自身も学習をしている身でもあります。
 
本記事は定期的にデザイナーやプロダクト開発に関わる人に限らず企業で働く全ての人に役立つ行動経済学や心理学の知識を紹介していきます。

本題

目標の欲求勾配仮説

人は物事に取り組むときにそれがどのくらいの時間と労力で達成できるのかをリサーチや経験から見積もりを感覚的に出します。その際に目標までの道のりが遠く感じたりゴールが見えなかったりすると精神的な負荷の増加や面倒さを感じ、あきらめようという心理が働きます。一方で、ゴールまであと少しという状況になると俄然達成したいという欲求が強くなります。
 
これを目標の欲求勾配仮説といいます。
この考え方を応用すると、組織の中で大きな目標を立てて行動する際に有効であると考えられます。
 

目標を細かく設定していない場合

例えば半期の目標などの得てしてスケールが大きくなる状況で、大きな目標をはじめから目指そうとすると、何から始めればいいのかわからない状況になります。漠然と業務に取り組むも、時間は経つが達成感を味わう機会が明確に設けられていないので、なかなか気持ちが上を向くきっかけがない状態で業務を進めていくことになります。
 

目標をスモールステップで設定した場合

ここに定期的に達成感を味わうことができるようにスモールステップのゴールを設定します。それにより、短い期間で達成感を味わいながら次のゴールへの道筋がわかった上で進んでいけるようになります。達成感や成功体験があるとまた頑張ろうという気持ちが芽生え、次の仕事にも意欲的に取り組めるようになった経験はみなさんにもあるのではないでしょうか。
 

まとめ

このように大きな目標を達成するまでの長い道のりに対して、序盤や中盤でのモチベーションを維持するために短い期間で達成できるゴールを細かく設け、定期的にポジティブな精神状態を維持できるように小さな目標に分解することが大事です。さらに細かい目標設定のため上司やメンバーからも今何を頑張っているのかが把握しやすいため、適切なフィードバックを送りやすくもなります。そうして達成感を味わいながら仕事を進めていくうちに大きな目標のゴールが目前にくるようなったら、あきらめる気持ちを生むことなくゴールを達成できるようになるはずです。
 
心理学や行動経済学は「たしかにそんな経験があるかも」と共感する一方で、言語化して覚えることでとっさの時に裏付けの理由として使え、特定の職種に限らずさまざまな場面で汎用的に使い、自分の意見の説得力を増すことができます。
 
ぜひ仕事でもプライベートでも実践してみてください。